入院中のできごと
「月の光を浴びた女の子。」
精神病棟に入院していた頃、廊下にはいくつばっているおばあさんを倒れているのだと勘違いしたわたしは、おせっかいにも彼女が椅子に腰かけるのを手伝ってしまった。当時髪の毛を金色に染めていたわたしを見て、彼女はこう言った。
わたしの風貌を見て、世間の人が言うのは大抵、派手だとか不良だとか、そんなこと。
人は、見た目で判断して勝手に人を分析し、ジャンル分けしてしまう生き物。なぜ就活の面接でみんな髪を真っ黒にして、きっちりしたスーツで同じセリフを言うかって、つまり第一印象で全てが決まってしまうから。そういうこと。
そう。わたしは、精神病棟に入れられた金髪少女であり、社会不適合者。
だけど、おばあちゃんから見たわたしは、月の光を浴びた女の子だったわけ。
何が言いたいかって、別に何が言いたいわけでもないけれど、ひと言でいうなら、人にレッテル貼るのってバカバカしい話よねってこと。
今日はいい夢みれるかしら。